千の刃濤、桃花染の皇姫/エロゲー レビュー

<パッケージ>

公式サイトはこちら

<商品概要>
ブランド: オーガスト
定価: ¥9,800 (税込¥10,584)
発売日: 2016/09/28
メディア: DVD-ROM
ジャンル: 忠義と愛のADV
JANコード: 4935066305461
原画: べっかんこう、夏野イオ
シナリオ: 榊原拓、内田ヒロユキ、安西秀明
アーティスト: ActivePlanets

<ストーリー>
安寧の日々は灰燼に帰した――
黎明から二千年、一系の皇帝により統治されてきた皇国は夷狄の手に落ちた。
当たり前だったものが次々と崩れていく毎日。
時代の奔流に弄ばれながらも、人々は逞しく未来を探し続ける。

たった一人残された帝位承継者・宮国朱璃は 力 を求めていた。
仇敵を排除し、この国を取り戻さなくてはならない。

過去を失った武人・鴇田宗仁は 主 を求めていた。
鍛え上げられた白刃は、忠義のために振るわれねばならない。

その日、運命に導かれ二人は出会う。
往く先にあるのは失意か祝福か。 答えを知る者はどこにもいない。

>>レビューの

<実際にプレイしてみての感想>
 正直な話をさせて頂きますと、このような神ゲーに出会えたと自らで思ったのはこれで2度目です。1度目は「Steins;Gate」をプレイした時です。まさに筆舌に尽くしがたい、でも尽くさないとレビューにならない、なんて思いながらプレイしていました
 誇張だ社員だと罵られる覚悟で申し上げるなら、今年出た、またこれから出るエロゲーの中でも1位2位を争えるほどのストーリーを持ったゲームだと、そう声高に叫びたい気分です。(ここまで文章を書いていて、このゲームにちょっと毒されています、語りが固いのはご容赦を)。書きなぐり的なレビューになるのですが、付き合っていただければ幸いです。
 特に朱璃ルートは、正にこのゲームにおける中心であり正史、皇国が歴史をどう歩み、またこれからどう歩んでいくかということを示したルートです。このゲームをプレイするのであれば、このルートは最初か、または最後にやるのをおすすめします(私はエルザルートに一回足突っ込んで選択肢変えましたけど)
 朱璃の皇家としての覚悟、それに武人として、また一人の人間として相対する宗仁の覚悟・・・私は間違いなくこのルートこそ最高だと言えます。あまり詳しく話すとネタバレ一直線になるので控えますが、まさに「愚直なまでの恋物語」と言えるのではないでしょうか。
 物語の随所で光る戦闘シーン演出、最初は「すっげぇCGエフェクト使ってるのかよ!ww」と、「エロゲーなのにそこまでやるのか!」と心の中で笑いながら感心していましたが、物語に引き込まれるにつれて、その物語における戦闘を引き立てるのに半端なものではダメなんだろうな、と思うようになっていました。
 特に武人vs共和国兵の殺陣のシーンとか、武人同士の殺陣のシーンは演出も相まってほんと圧巻でした。ヒロイン相手でも容赦なく腕が飛ぶとかあるんで、結構ショッキングなシーンは多いですが18禁だし多少はね?

 そもそも、OPまでが結構長く、OPの存在を忘れていたころに「今やっと始まるのかよ!」と突っ込みを入れていた記憶があります。それもそのはず、地の文などを的確に飛ばしつつ進めても、ルート完走まで18時間程度はかかりました。(OPまででも数時間はかかります。)まぁこれは他のエロゲーと比べても同じくらいの時間量だと思いますが、作品への引き込まれ方は他のゲームと比べても違いましたね。

※タイトルで放置してたらOP始まりました、クリアして初めて知りました()

 分かりやすいかどうかは分かりませんが例えますと、「マブラヴオルタネイティブ」みたいな「エロが要らないエロゲー」みたいな感じで、物語に引き込まれました。いやぁ正に引き込まれましたね、次が気になって気になって、いったん休憩を挟もうと思ったのが最初の選択肢である「滸に付いていくか朱璃に付いていくか」のシーンでしたからね、この時点で夜9時プレイから朝4時くらいまで行っていました。それくらい物語に没入出来ました。
 マブラヴで思い出しましたけど、今回の物語の大半はマブラヴオルタであった「沙霧大尉のクーデターによる佞臣の摘発とか夷狄(いてき、外人のこと?)の排除」に全体的に似ていましたね。自らの手をもって敵をあぶり出し、倒すという決意と覚悟もなんとなく武人のそれに似ていました。まぁ作中に幾度となく「忠義」という言葉が出てくるため、そう思うのも致し方ないですね。

 ストーリーなんかを説明しますと、
 舞台は今の日本をより神道に傾注させた感じの「皇国」です。ここが「共和国」に侵攻され、陥落する辺りから物語は始まります。ちなみに共和国は某英国と某米国を足してアングロサクソン主義の悪いところを足して邪悪を混ぜ合わせたような感じです。割りません。帝の娘は皇家を長らえさせるために逃走、しかし共和国の追っ手に追いつかれてしまう・・・というところでとある武人が助太刀に参上。娘とその侍女を助けます、その後なんやかんやあって3年経過。鴇田宗仁(ときたそうじん)という一人の武人にフォーカスが当たり、以後この主人公を中心に物語が展開していきます。
 ・・・ここまで書いておいてなんですが、正直筆舌に尽くしがたいほど色々なことが「OPの前に」起こります。ここまで内容の濃いプロローグは初めてじゃ・・・
 後、伏線の回収力はなかなかでした。これ説明するとネタバレになるので言いませんが、この時のセリフは実はこういう意味だったのか!とか、実はこいつが敵かと思っていたら別の奴が!みたいなのはなんだか「CHAOS;HEAD」をプレイしたのを思い出しましたね。あれもOP曲の歌詞の中で「何気ないあの空気、意味のないあの言葉 その全てがこんなに歪んで見えたりするから」というフレーズがありましたが、敵や味方の何気ないセリフの中に伏線があり、それが回収される瞬間がとても気持ちよかったですね。「あっここかぁ!」という感じで。
 最後に、ストーリーは基本的に「敗戦国の皇国側の視点」で語られることが多いです。それはすなわち「強者による蹂躙を味わわされる」ということに他なりません。プレイしている身でありながら、結構共和国側の立ち居振る舞いにイラッとする場面もありました。それも含めて後半に繋がるものだと思っていますけど。最初の内は「エルザってヒロインなのに敵なのか・・・好きになれるかなぁ」なんて思いもしてましたけど、彼女も一人の人間としてしっかりと選択をしていきますので、その不安は杞憂でしたね。
 
 ゲームについて説明しますと、まず「主人公」である「鴇田宗仁」は声付きです、エロシーンと地の文以外はフルボイスでしゃべります。これがまた良い演技しているんですよ、叫びの演技が良い声優は良い声優だと勝手に思っている私ですが、この人はよかったですね。(とか思って中の人調べたら表名義結構有名な人でした、無知反省)
 ともかく、主人公の声があることで掛け合いにハリが出ますね、文章だけの気勢と、実際に声が聞こえて来ての気勢では迫力が違います。「主人公に声付きかよー」と思う人もいるかもしれませんが、このゲームを一通りプレイした後は「宗仁には声付いていないとこのゲーム成立しねぇな」と思うはずです、思いました。
 また朱璃の中の人である「遥そら」さんもよかったですね、感情的な演技は一級品でした。他のアニメ声優に勝るとも劣らない演技力と表現の豊かさだったと思います。(まぁ遥そらさんってあの声質ばっかりなので、幅があるのかと言われるとそうでもないのでしょうが私は素敵な演技だと思いました。)
 この二人を中心にして進んでいくメインルートはまさに「長編アニメ」を見ているような気分でした、視点も色々なキャラに変わるので、「今このキャラは何をしているんだろう」とか「この裏では何があったのか」ということも分かるようになっています。

 エロシーンについては、メイン進行時はエロシーンは数えるほどしかありません。1シーンくらいですね。それも「物語の核心にかかわる」部分での情交が多かったです。というか少ない分ほとんどですね。そもそも主人公が根っからの堅物なので、意味のないセックスはしていません。「夜明けな」「FortuneAterial」「羊飼い」のようにこれもアニメ化されるんでしょうけど、朱璃ルートやるなら2回のセックスシーンはどうにか外さずに頑張って表現して欲しいですね。ラストシーンにも繋がってくる「超大事なファクター」であることは間違いないので。

とまぁここまで18時間を絞り出すように感想を書きましたが、正直薄っぺらいです。物語の厚さに比べるべくもなく薄いです。
それはやはり「ネタバレにかかわる部分が序盤後編、中盤、終盤と多い」のがあるからです。敵は小此木なのか、それとも共和国なのか・・・ここを語るだけでも一つ真実に迫らないといけないのです。これ以上語るとぽろっと漏らしてしまい、結果的に皆様の楽しみを削ぐことになってしまいますので、ここまでにしておきます。
 

<オススメ度>
・エロ
 エロシーンが薄いと思った?残念!1シーンあたりは結構濃厚でした!
 と冗談はさておき、ストーリーを進めていくうちに一人ひとりのキャラの内面が分かり、その分だけ愛着がわきます。そのため濃く感じるのかもしれません。エロシーン単体で見る人はまぁいないでしょうが、もし居るとすれば「それまでの経緯」が分からないので、普通のエロシーンに成り下がり、結果薄く見えることでしょう。
 「エロをエロい」と感じたいのならば、しっかりストーリーごとヒロインを愛しましょう。みんな可愛かったです。余すことなく。
・ストーリー
 立ち上がった武人の一人が、自信の数奇な運命に翻弄されながら、傍らの少女と共に皇国を救うお話。
 ざっくり言うとこんな感じです。結構「主人公」が中心に動くので、主人公が嫌いでは話にはならないでしょう。幸い彼は「無骨、とうへんぼく、感情を表にあまり出さないけど、戦闘の時は誰よりも仲間を守るために動く」という根っからのヒーロー気質なので好きにはなれなくても「主人公」として見ることはできます。Fateで簡単に説明しますと、「士郎の性格とセイバーの戦闘力を持つようになる上に、その力はただ主人のために」という感じです。マスターでありサーヴァント的な?分からない方すいません。
 このキャラ付けで結構士郎を想像する人いるだろうなぁと思います。女性の機微に鈍感なところも含めて、まさに「武人」です。
・その他特記事項
 あいにく私はまだ「朱璃」ルートしかクリアしておりません、というか内容が濃すぎるせいで、このレビューを全ルート全イベント踏破後にやろうとすると10月に入ってしまうかもしれないと思ったからです。
 それでは皆さんに情報提供できないので、今現在の心境を含めて語った訳ですね。
 各個別ルートの入り方は「一件落着→各個別でまた問題発生」系ではなく「メインイベント進行中にヒロインと仲良くなり、そのまま個別で全く違う終着点にたどり着く」という感じです。事実「エルザ」ルートの歴史と「朱璃」ルートの歴史は確実に違う道をたどっています。それは宗仁の過去にかかわるネタバレがあるので深く言えませんが、まず違う歴史を歩んでいます。
 個人的に正史は「朱璃」ルートであってほしいです、色々な人が悲しみ、色々な人が死に、それでも主人公と朱璃がつかんだ歴史があるので。

<サンプルCG>

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092501

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092505

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092502

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092503

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092504

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092506

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092507

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092508

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092509

%e3%80%8c%e5%8d%83%e3%81%ae%e5%88%83%e6%bf%a4%e3%80%81%e6%a1%83%e8%8a%b1%e6%9f%93%e3%81%ae%e7%9a%87%e5%a7%ab%e3%80%8d2016092510

<総評>
 総評としては「神ゲー」と、この一言に尽きるでしょう。スラング的な意味でも、ゲーム内における神様的な意味でも。
正直この興奮と感動、読後感はプレイしないと分かりません。これを語れる人がいようか、いやいまい。(反語)
作中に幾度となく登場する「人間の覚悟」、これは実際に目にして、それに触れないと凄みは伝わりません。
後舞台が舞台なので、なんとなく今の「日本と諸外国の関係」への風刺と期待が込められているような気がしてなりません。
それでなくても「日本が今この皇国のような歴史を辿っていたら」と夢想せずにはいられませんでした。やはり舞台がどこかの国ではなく、近そうな国というのは親近感が沸いていいですね。

武人と皇姫の忠義と覚悟、どうぞその眼で確かめてください。

余談ですが、タイトルの桃花染は「つきそめ」と読みます。「せんのはとう、つきそめのこうき」です。でも作中だと皇姫と書いて「ひめ」と読んだり「こうき」と読んだり、また別の読み方もあった気がするのでややこしいですがフィーリングでいけます。

<リンク>

千の刃濤、桃花染の皇姫 通常版

千の刃濤、桃花染の皇姫 プレミアムパック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。